むらまつ歯科クリニック 院長のむらまつです。
先日行われたヘルスケアミーティング2017にスタッフとともに参加してきた。講演のメインテーマを「変化を診るメインテナンス」と題して行われた。まず、1日目には歯周治療を中心に、続けて2日目には虫歯のマネジメントについての講演があった。
当院はヘルスケア診療をベースに診療を行うようになってきている。
ヘルスケア診療とは
1、病因論に基づいた治療、
2、継続したメインテナンス、
3、規格性のある資料、
4、チーム医療により、
「患者さんの健康を守り育てる」ということだと理解している。
今回、カリエスマネジメントに関しては各先生が具体的に医院での取り組みをご紹介されていた。その中で感じたことは、やはり虫歯のマネジメントは一筋縄ではいかないということだ。
メインテナンスの中での変化には、
口腔内写真やレントゲンから見て取れる「見える変化」と、
生活習慣、価値観、口腔衛生習慣などの「見えない変化(見えにくい変化)」
の2種類があると定義をされていたが、ご経験の長い先生方でもメインテナンスの中での後者の見えない変化をいかに感じてコントロールするかの悩み、工夫、取り組みを発表されていた。症例では、定期的なメインテナンスを続けていても、読みきれない虫歯の発生や、根面虫歯の急速な進行を予測できなかったことの報告もあった。当院でも、歯周治療が安定してきて、安心していた折に、根っこの虫歯になってしまう患者さんもおられ、今後そのようなことがないようにどのように対策してらいいのか大変参考になった。講演の最後ではリスクアセスメントのスタンダードはない、将来の虫歯を予測するのは難しい、リスクは変化するものとして、変化に対応できるシステムの構築を各医院で工夫する必要性があるとまとめられていた。
最後に2日間の講演を通して、「変化を診るメインテナンス」にはヘルスケア診療を通して「人として変化を診ること」、つまり全身状態の変化、生活環境の変化、加齢による変化を診つつ、口腔内の変化を規格性のある資料で追い、歯科医院としての経験値を蓄積し、それを確実に継承していくことが時間はかかるが、確実なことだということが理解できた。
今回の学びは日々の臨床にとても役立つ、気づきの多いものであった。また、スタッフと共に参加することにより、クリニック全体での理解が高まり、実践に即つながると期待出来ると感じた。
むらまつ歯科クリニック 村松崇稔